ご挨拶

就任1年を迎えて

   昨年9月に野洲市病院事業管理者に就任して1年になりました。その間、本年1月には電子カルテシステムの更新、3月には救急車の寄贈を受け、4月には2名の内科医師を増員致しました。新型コロナウイルス感染症は5月の連休明けに2類から5類相当になりましたが、依然、発熱(感冒)外来での陽性者の割合は高率で、コロナ病床も稼働しております。市民の皆様が、安心していただけるよう、病院全職員が一丸となって頑張っております。
   新病院整備につきましても、順調に進捗しております。昨年11月に評価委員会、特別委員会を開催いただき、本年2月議会に債務負担行為を含む新病院整備予算を可決承認いただきました。その後5月の新病院整備審議会、特別委員会での審議を経て、6月1日に新病院整備事業の公告を行いました。
   引き続き、病院全スタッフとともに、新病院整備事業や現病院設備の整備・改修などを行いながら、良質で安全な医療の提供と経営面を強化するための取り組みを進めてまいります。

2023年9月1日

病院事業管理者 前川 聡


新年を迎えて

 コロナ感染症は五類とインフルエンザと同じレベルの感染症になり、それなりに落ち着きを見せています。むしろ、インフルエンザや高齢者の帯状疱疹などが多く見られるようになってきました。特に、帯状疱疹は予防するには、水疱ウイルス(水疱瘡ウイルス)ワクチンを打つ必要があります。小児用の水疱ウイルスワクチンは力価が低下していて、できれば、シングリックスと言われる遺伝子組み換えワクチンを2回打つことで、10年近く高い抗体が維持され、予防に役立つと言われています。野洲市では、本年から、65歳以上の方のワクチン接種の一部の費用負担を行うことになっています。
 遺伝子工学は近年高度に進歩して、遺伝子組み換え抗体を使ったアルツハイマー病治療薬(正確には、疾患修飾薬)が、1月から野洲病院でも使えるようになりました。進行した状態では使えませんが、物忘れが気になる軽度認知障害(MCI)や早期のアルツハイマー病に使えるものです。これまでの内服薬と異なり、脳に溜まる異常蛋白であるアミロイド蛋白を抗体で除去するものです。
 医学の進歩はここ数年素晴らしく、不治の病であったガンも5年生存率ではなく10年生存率で6割の人が生存しています。不幸なことに、コロナ感染が蔓延して多くの高齢者が亡くなりましたが、健康寿命は明らかに伸びていると思います。これからの人生はよく言われるように、一生が100年と考えて生き方を考えていくべき時になってきました。野洲病院がその一助になれるよう、病院職員が一丸となって頑張っていきたいと考えています。

2024年1月

病院長 福山 秀直