ALTA療法は痔核を切除しないので術後の痛みや出血が少なく、入院期間も短く、日帰り手術も可能です。ただし、ALTAは内痔核に注射しますが、外に突出している痔核(外痔核)には注射しません。また、術後、5年間での再発率が約16%という報告もありますので、内痔核で肛門外脱出が度重なり、戻しにくい患者さんは、原則的にALTA療法の適応となりません。
ALTA療法は、講習会を受けた大腸肛門疾患の専門医だけに認可されています。実施する医師は薬剤の本質と影響を熟知し、正しい手技で正しい部位に注射しないと、再発や合併症を起こす危険があります。合併症には、出血、疼痛のほかに肛門粘膜の潰瘍形成、炎症、肛門狭窄などが報告されています。